2012.6.23
千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館にて「にわのわ」
というアート&クラフトフェアに参加させていただきました。
こういった野外展示の一番の難点は、
野外展示=テント
必ずといって良いほど、天候の事を考えテントや、屋根をつくり
せっかくの屋外なのに、
わざわざ屋内もどきをつくらなければいけない。。。
そんな不満から始まった作品。
「shade(日陰)」
巾1mのアルミ蒸着シートをつなぎ合わせ、3m×3mのシートを2枚貼り合わせる。
ヘリウムガスを入れ、ぽっかり浮かんだその下にできた陰。
川村記念美術館の広い広い芝生の上で、ぽっかり浮かんだバルーンとその陰を思い浮かべ
寝ても覚めても風の事ばかりが気がかりだった。
バルーンの最大の敵は風だ。
普段気にもしない風速というものがとても気になりはじめる。
風がない日なんかない。。。
そして当日の予報。
午前風速1m。午後16:00より2m。
奇跡に近い。
良かった。。。
なんとかなりそうだ。
ヘリウムガスを入れ、地上から力強く離れようとするバルーンを、釣り糸でしっかりと地面に結ぶ。
ときおりのそよ風で、ボヨボヨと動くバルーンはまるで生き物だ。
そしていよいよ「にわのわ」が始まった。
photo by shinobu |
と同時に大喜びで駆け寄ってくる子供達。。。
!!!!
危なーい!!
興奮した子供達が、釣り糸が張られたバルーンの下を駆け回る。。。
風の事ばかりを心配していた私の頭には、まったくもって「子供」という登場人物は浮んでもこなかった。
そして、これほどまで、子供の多いクラフトフェアは初めてだ。。。
入れ替わり立ち代り、子供達がやってきては、バルーンの下で跳んだり跳ねたり掴んだり引っ張ったり。。。
格好の遊び場となる。
子供にとって、このバルーンを見せびらかし、騒ぐな、触るなというのはあまりに残酷だ。
結局、その日一日中、子供達が転んで釣り糸で怪我をしてしまわないか、
バルーンに穴を開けてしまわないか心配で、
はしゃぎすぎる子供に注意をうながす、嫌な大人役をしながら、
その場所を離れる事ができなかった。。。
photo by shinobu |
photo by shinobu |
長い長い一日も、必ず終わる。
にわのわは、目標人数を上回り大盛況で幕を閉じる。
バルーンは、1日中子供たちにつっつかれ、気温のせいもあってか、ぐったりしている。
私も心底ぐったり。。。
そして作品の搬出。
繋がれた釣り糸を1本、1本ハサミで切る。
その糸を1本、1本、手に持つ度に、バルーンは私に訴え掛ける。
その意志は、どんどん、どんどん増していく。
それを強引に阻止する権利は、もう私にない。
数分後。
大空に1点のshadeができた。
作品は、時々、意思を持って思わぬ方向に舵を切って進む。
今年初めての試みとあって、色々な不具合があってもおかしくないイベントでしたが、
にわのわスタッフのみなさんが、搬入から、搬出まで、手取り足取り
段取り良く、実に完璧なサポートをしてくださいました。
お客さんの数も、予想をはるかに上回る数。
色々な意味でグレードの高いイベントでした。
来年も引き続き続いていく「にわのわ」
来年は、6月1日、2日の2日間になるそうです。
今年行けなかった方も、来年は是非。
http://niwanowa.info/
2012.9.26
素材: アルミ蒸着フィルム 釣り糸
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