2013/05/22

すきとおったたべもの





オマージュ・宮澤賢治 「月あかり」
  2013年4月14日~4月25日 千葉県成田市 ギャラリー海

 http://www.lares.dti.ne.jp/tisr3165/umi.html


彫刻:梅原正夫 尾崎悟 佐々倉文 平井聡典 本山ひろ子
絵画:石田歩 池端昴 南隆一
書:大花
特別展示:個人蔵 小林敏也
版画 画本 雨ニモマケズ (宮澤賢治/作、小林敏也/画、パロル舎刊)より




宮澤賢治オマージュ展という事で、
宮澤賢治さんの「やまなし」という作品をテーマに
「すきとおったたべもの」という作品をつくりました。

「すきとおったたべもの」という言葉は
宮澤賢治さんの作品「注文の多い料理店」の序章に出てきます。
その言葉が、まさにこれはクッキー型だ。。。
という思い込みから、はじまりました。

















『注文の多い料理店』 序章
「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、
桃色のうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、
いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに
かわっているのをたびたび見ました。 わたしは、そういうきれいなたべものや
きものをすきです。 これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや
鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。 ほんとうに、
かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、
ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。 
ほんとうにもう、どうしてもこんなことがありようでしかたないということを、わたくしは
そのとおりに書いたまでです。 ですから、これらのなかには、あなたのためになる
ところもあるでしょうし、ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、
そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、そんなところはわたくしにもまた、わけがわからないのです。
 けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、 おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。」
                       大正十二年十二月二十日   宮沢賢治













素材  ステンレス 真鍮




2013.522




0 件のコメント:

コメントを投稿